前回のエントリーでは、書き出したWBS(やること)の順序設定をするところまで行いました。ひとまず前回で作業の順番(≒段取り)を整理できましたが、ここからひとつひとつの作業に着目して、それぞれのタスクにどれくらいの期間が必要なのかを整理し、設定していきます。
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前提:このエントリーは、以下の方を想定して書いています。
なお、前回記事の完成例は適宜以下からダウンロードください。
完成例
スケジュールを立てるときに、よく「期日から逆算しなさい」という話があるかと思います。それはそれで真なのですが、まずはそれぞれのタスクに必要な期間を意識することが大切です。まずは逆算しないことのメリットは次回で詳しく述べますが、まずは純粋に各タスクを実施・完了するために必要な期間を入力していきましょう。
前回順序設定まで行ったWBSの各行に注目し、それぞれに期間を設定します。やり方は大きく3種類ありますが、1.のやり方が一番楽だと思います。
その過程で、この海外旅行に行くプロジェクトの進行にあたって、重要な一里塚を「マイルストーン」として設定しましょう。マイルストーンがよくわからない方は以下を参考にしてください。
マイルストーンとは 【 milestone 】 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
ここでは、このプロジェクトの重要な節目を以下とします。
どれをマイルストーンとするかに絶対的な正解はないと思いますが、上記は以下の観点でマイルストーンとしました。
なおこの過程で、管理のしやすさを重視して、従来の「1.2.1.3.2 申請処理・許可が下りる」を「1.2.1.3.1 申請処理」と「1.2.1.3.2 許可が下りる」の二つに分割し、後者をマイルストーンとするように改めます。一度作ったWBSに必要以上に固執せず、柔軟に改良していくことはとても大切です。
こうやって積み上げた結果を確認してみます(サンプルダウンロード)。
それぞれに比較的余裕を持った期間を設定してみましたが、その結果、各タスク実行に必要な累積期間は12週間と1日、開始日から終了日までは60日間という結果になりました。
もしこの時点で準備開始から終了まで約60日という日程感が許容できるならば、このスケジュールに従ってプロジェクトを進行すればよいということになります。
また、ここで、さまざまに分岐するタスク群のなかで、ここだけは遅れてはいけない工程を認識しておきます。
表示 – ガント メニューから、クリティカルパスにチェックを入れます。
するとガントチャート部分に赤で強調されるラインが現れます。これがこのプロジェクトの現時点でのクリティカルパスで、この赤線で強調された工程のどれかが遅れると、すなわちそれがプロジェクトの完了の遅れということになります。
逆に、赤線で強調されていない部分の工程には余裕があり、多少遅れてもプロジェクト全体には影響を与えない、ということになります。ここで注意したいのはクリティカルパスは変化するということ。最初は余裕があったタスクでも、遅れ続けると今度はそちらがクリティカルパスになってしまうことがあるため、注意が必要です。これについては次回詳しく述べます。
もしここで先ほどの開始から60日間という日程感が許容できないとき(つまり普通にやると〆切りを過ぎるとき)、ここで初めて逆算をしてみます。
結局逆算するのなら、最初から逆算すればよいのでは?という考えも出てきそうですが、「後から逆算」には以下の大きなメリットがあります。
慣れているひとはこれらをふまえつつ、積み上げと逆算の作業を同時にやっていますが、スケジュールを立てることになれていない人は、多少時間がかかっても「いったん積み上げ→その後逆算で調整」のプロセスを踏んだほうが安全でしょう。
これらの調整の具体的な方法は、次回詳しく触れたいと思います。
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[…] それぞれにかかる時間を反映する:Omniplanでスケジュール作成 (5)2015/04/06 […]