The Four Tempelaments
フリーのウェブ関連業務従事者による、仕事とあんまり関係ないブログ。

タスクを書き出す・構造化する:Omniplanでスケジュール作成 (1)

今回のエントリーは、プロジェクトを完遂する上でやらなくてはいけないことを書き出す=WBSを作る、ということについて海外旅行を題材にして書いていきたいと思います。

あとはこれは一応Omniplanの使い方シリーズなので、Omniplanでどうやるか。

OmniPlan App
カテゴリ: ビジネス/価格: ¥19,800
Appストアでダウンロードする


前提:このエントリーは、以下の方を想定して書いています。

  • 普段Webのリニューアル案件等に携わっているいわゆる「Webディレクター」。
  • 仕事がらスケジュール作成やその後の管理をすることが多いが、自分のやり方でよいのかどうか不安に感じている。
  • 通常の進捗管理にエクセルを使用しているものの、そろそろ限界を感じている(Excelとの戦いに倦んでいる)。

なお、完成サンプルをエントリーの下部に掲載しています。


その前に、まずは言葉の定義を

さっそく詳細に入りましょう、、、の前に「プロジェクト」と「WBS」という二つのワードについて定義付けをしておきましょう

プロジェクトとは

プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務である。
(PMBOK第5版日本語版 より抜粋)

独自性と有期性の二つの条件に合致するもの、言い換えると「初めてやること」を「決められた期日までに終える」というものがプロジェクトである、ということですね。

今回例として扱う海外旅行にしても、誰かの誕生日パーティにしても、それぞれが一つのプロジェクト。もうちょっとスケールの大きな例では人の一生などは特に壮大なプロジェクトと言えます。

WBSとは

Work Breakdown Structureの頭文字

  • Work:(名)作業
  • Breakdown:(動)分類する
  • Structure:(名)構造、体系

プロジェクトマネジメントの計画フェイズにおける主要なツールで、プロジェクトの 成果物あるいは仕事(work)を詳細区分(breakdown)して階層構造 (structure)化した図表、あるいはその図表によってプロジェクトのスコープ全体と その中で作られる成果物ないしは作業の関係を体系的に集約・把握する手法のこと。

出典:ITmedia エンタープライズ 情報マネジメント用語辞典 http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0508/05/news117.html

要約すると「目標を達成するためにやらなくてはいけないことを書き出したもの」がWBSであると言えます。

どうやって作るのか? 何に気をつけるべきか?

まずは自分の知っていること、類似の経験から類推できることをトップダウンで

実は私は2013年に初めて海外に出ました。それまではずーっと日本にいたわけですが、とはいえ一般的な海外旅行で必要とされる準備についてはある程度想像できます。なので、まずは書き出してみます。

  • パスポートをとる
  • 飛行機のチケットをとる
  • スーツケースを買う
  • 持って行く日用品などを買いそろえる
  • ……

さらにここからそれぞれの項目を細分化

「パスポートをとる」を例にとると、、、

  • そもそも申請のしかたがわからないから調べるところから
  • 申請書をもらう
  • 申請用の写真を撮る
  • 申請用の各種書類を揃える
  • 申請する
  • 申請受理・発行処理
  • パスポートが届く

といくつかのタスクに分解できます。

ここで注意すべきは、自分のやることだけではなく、別の人がやることついても書き出す、ということ。

例えば書類申請をしたあとに、それを受理して発行をしてくれるのは役所の方です。自分が担当することではないですが、この受理・発行というプロセスが抜けると、そもそもパスポートが発行されない、すなわち海外旅行に行くという目標が達成できない、という結果を招きます。

自分中心ではなく、プロジェクトを達成するために必要なことを書き出す、というちょっと俯瞰した視点で見るようにするのがうまくいくポイントだと思います。

一回できた! と思っても、見直すたびにやらなくちゃいけないことがどんどん増えていくと思いますが、最終的に書き出したことを全て完了させると海外旅行に行ける! という状態をつくることがWBS作成のゴールです。これは、子の要素(やること)を全て足すと親に等しくなる(目標を達成できる)ということで、よく「100%ルール」などという表現もされます。

さっきの「パスポートをとる」ために細分化したタスクを全て達成すると、晴れてパスポートが取れる、ということです。

ちょっと見方を変えると

WBSはプロジェクト目標を達成するためにやるべきことを全て書き出したものですが、逆の見方をすると、ここに書かれていないものは「やらないこと」でもあります。
つまり、やることを決めると同時にやらないことを決める、ということがWBS作成の大事なポイント。
WBSがスコープ定義のツールと位置づけられるのはこういった理由もあると思います。

細分化の粒度

よくどこまで細かく分けるべきか? という質問をうけますが、コストやスケジュール、スコープ、品質(海外旅行だと品質≒満足度でしょうか)、リスクなどに影響を与えそうなものについては必ず記載するようにと一般的には言われているようです。

一方で、あまり細分化しすぎると管理しきれなくなることが多いので、自分にとって良い塩梅のレベル感で細分化するのがよいでしょう。これ、といった絶対解はないように思います。

先述したように、プロジェクトは本来的にやったことがないこと・わからないことが含まれるので、当然ながら細分化にも限度がありますが「何がわからないのか?」を明確にする意味でも「その時点まででわかっていること」を明らかにする、という姿勢が大事です。

プロジェクトが進むにつれ、わからないことがわかるタイミングがきます。その時に改めて詳細化していけばよいだけです。

ということでOmniPlanでやってみよう

まずは一番最初のタスクをプロジェクト名に。

  • 「タスク1」を選択して編集

書き出す

  • メニュー:構成>追加>タスク

よりも、

  • タスクのアウトライン画面でリターンキー

の方が早いです。

追加したテキストを選択して、タスク名称を入力します。

構造化する

準備するモノ・コトなどで構造化するとわかりやすいので、適宜親子関係を作っていきます。

複数選択して一気に移動することも可能です。親子関係の階層は無制限です(ソフト的な上限があるかもしれませんが、少なくとも自分が使ってきた限りではそこに到達したことはないです)

  • 対象のタスクを選択>メニュー:構成>インデント

ショートカットが楽なので覚えましょう。

  • 対象のタスクを選択>command+]

 

戻すときは、

  • 対象のタスクを選択>メニュー:構成>インデント解除
  • もしくは、対象のタスクを選択>command+[

適宜順番などを入れ替える

時系列が明らかな場合は、それに応じて並びかえるとわかりやすいです。

  • 対象のタスクを選択し、ドラッグ&ドロップで移動
  • 複数タスクやタスクグループを移動することも可能

親子関係の階層部分を折りたたむこともできる

  • タスクのアウトラインの下向き三角をクリックして折りたたみ

 

または、

  • メニュー:表示>アウトライン>すべてを展開
    ⇒全てのタスクを開いた状態に
  • メニュー:表示>アウトライン>すべてを折りたたむ
    ⇒全てのタスクを折りたたんだ状態に
  • メニュー:表示>アウトライン>行を折りたたむ
    ⇒親タスクを選択した状態で操作可能。その親タスクが持つ子のタスクを折りたたんだ状態に
  • メニュー:表示>アウトライン>行を展開
    ⇒子を折りたたんだ状態の親タスクを選択した時に操作可能。その親タスクが持つ子のタスクを展開する

最終的に「1 初めての海外旅行」に全てのタスクがぶら下がる形に整理できると、初めての海外旅行プロジェクトのWBSが完成です。

 


完成例はこちら
※いや、こうじゃないはずだ、もっとやらなくちゃいけないことがあるはずだ、というご意見もあるかもしれませんが、あくまで今後のチュートリアルを進めて行く上でのサンプルです。


 

次回はこれを元に具体的なスケジュールを立てていく作業を行います。

 

Omniplanでスケジュール作成 記事一覧

  1. プロジェクト管理ツールのススメ
  2. タスクを書き出す・構造化する
  3. タスクの依存関係と順序設定のパターンを知る
  4. タスクの順序設定をする
  5. 関係者を洗い出してタスクに割りあてる(リソース制約の考慮として別途記事化予定)
  6. それぞれにかかる時間を反映する
  7. スケジュールに無理・矛盾がないかを検証して基準とする
  8. 進捗を管理しながら調整する

OmniPlan App
カテゴリ: ビジネス/価格: ¥19,800

 

関連記事

[`evernote` not found]
Pocket






コメントを残す