2013年の8月10日は日本全国でとても暑い日となった。
熱中症も1,000人近く出たといい、まさに暑さもここに極まれり、という感。
記録的猛暑…40度超4地点、35度超は295(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130810-OYT1T01086.htm?from=popin
ちなみに地元に隣接する熊谷市での最高気温は14時で38.8℃だった模様。ここまで暑いと「あついぞ!熊谷」事業で町おこしをしている熊谷近隣住民としてはなんとなく残念な感覚を覚えてしまう。どうせ暑いんだから、せめて全国1位になって注目を浴びたい! というような妙な気分。
その熊谷には白くまならぬ「雪くま」という名物が。要はかき氷なわけだが、もし近くにお立ち寄りの方がいればぜひ。
http://www.city.kumagaya.lg.jp/kanko/meibutsu/yukikuma.html
さて、この日の個人的な注目はこの試合だった。
8月10日の第4試合。抽選会の結果を知り、厳しい相手だな〜と思ったが、案の上難しい試合(内容的には乱戦)となった。
先攻の浦和学院が1回オモテに幸先よく1点を先制するも、先発エースの小島がまさかの大乱調。四死球・押し出しも絡んで一気に6点を失う立ち上がり、というまさに予想だにしない展開。
ストレートに抑えが効かず、ことごとく浮き球になってしまうことに加えて、変化球は見極められる。カウント撮りに行ったストレートを痛打される、という完全な悪循環。これは逆に育英のほうもびっくりしたんじゃないだろうか。
とはいえ埼玉予選決勝で猛攻を見せた打線が、小島をフォローしようということで3回には一挙8点の大逆転。その後も1点を加えて、あとは小島が立ち直れば、、、という展開に持ち込んだ。
が、しかし、立ち直り切れない。とはいえ守備も乱れも影響したのではないかと思う。結局10対10に追いつかれてしまう。
育英の2番手も頑張ったと思う。大量得点をとった浦学打線を抑え続ける。
そんな嫌な流れのなかの8回裏、この日打ち込まれた育英の1番からの攻撃で、小島はノーアウト満塁の絶対絶命のピンチを迎える。しかしここからが圧巻だった。
強打育英の4番,5番,6番を全球ストレートで3者連続三振。ここまで制球が定まらなかったストレートで、クリーンアップをねじ伏せる。予選でも見せた勝負どころでの小島の強さが存分に発揮されたシーンだったと思う。
ただ、ここでおそらく力を使い切ったのだと思う。9回のピッチングの途中で足を攣らせ、無念の交代。代わってリリーフに出たピッチャーがサヨナラタイムリーを許し、春の優勝校の浦和学院は初戦で敗退という結果となった。
この日の甲子園の試合は、テレビで第一試合から見ていたが、おそらくこの日の一番の歓声と応援は、9回裏の小島に対してのものが一番大きかったと思う。高校野球で、応援歌以外で個人名のコールが湧き上がるという記憶はあまりない。
試合後、涙がとまらない様子の小島だったが、とはいえ彼はまだ2年生。次の春、来年の夏、と雪辱を期してくれることと思う。
試合後、監督の振り返りの記事を読んだが、本人の言うとおり、投手交代のタイミングはやはりよくなかったのではないかと思う。
単純に球数云々を言うつもりはないが、この日の気象条件と小島の調子を考えれば、いくら強敵とはいえ、(おそらくは)本人の意志とはいえ、もうちょっと早いタイミングで交代してもよかったのではないかと思う。
球数至上主義のアメリカに倣うわけではないけれど、プロを目指せる選手にとって、(本人の意志とは異なったとしても)高校時代はまだ通過点であるわけで、情に流されず、将来のことも考慮した起用をしてほしいと思う。
ただ、そういった情の采配があったからこその名場面であったのも事実。こういったドラマがあるから高校野球は面白い。